ナビスコ杯決勝 清水1-2鹿島 結局は柴崎の試合

 試合前半の40分くらいまでは、清水が圧倒していた。終わってみれば、この時間帯に点を取れなかったことが清水の敗因になった。
 若い清水のほうが走る距離では優るのではないかと思われたが、後半以降はイーブンの戦いになった。
 鹿島のジョルジーニョ監督は後半の頭からドゥトラを投入したが、これが当たりだった。前半、大迫をトップ、興梠をシャドウとする布陣は機能していなかった。ところが後半、ドゥトラが得て勝手に前線を走り回ると、清水ディフェンスは捕まえられずにこの対応に苦労するようになった。結果としてディフェンスラインが下がって前との間が延びていった。
 交代選手を後から投入したのは清水のほうだが、時間が経っても有利にはならなかった。そこで、柴崎がPKを得て鹿島が先制した。

 物議をかもした清水のPKについて。
 青木がボールの後ろのほうでどついていたので、それを取ったというのならPK自体は妥当と考えられる。増田にぶつかって倒れた平岡はただの自爆なので関係ない。警告は増田とテレビでは言っていたが、記録では青木になっているようだ。それなら主審に誤りは無い。 

 延長前半3分に鹿島の決勝点が入った。まだ27分もあったのだが、清水は次第に足が止まって時間が経つほど点を取るすべを失くしていくようだった。
 120分の中でどう動くのか、押し込まれても点を取られなければいい。「全力」は点を取れるところで瞬間的に出せばいい。鹿島はそういう戦い方をして成功した。
 したたか、という単語は使いたくない。ここ、というところでその全力を出したのが、まだ若い柴崎だったからだ。
 得点した所だけを注目するなら、柴崎はボランチにしておくのが惜しい選手だ。先制のPKを誘った場面、決勝点のトップスピードでの飛び出しとシュート。いずれも素晴らしいものだった。
 終わってみれば柴崎の試合だった。彼を鹿島のしたたかさを受け継げる選手ということで青森から連れてきた、というのであれば、これも鹿島スカウトの勝利であろう。

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