ヤクルトスワローズ日本一

 日本シリーズで一番印象に残ったのはマクガフ。マクガフで始まってマクガフで終わった。
 1勝2敗2セーブ。マクガフが出た試合で3勝2敗なわけで、これが逆だったらオリックス日本一だっただろうか。
 高津監督が選手時代にヤクルトの抑えをやっていて、何度も日本シリーズで胴上げ投手になっていることは野球ファンなら知っている。
 けれども、1997年のレギュラーシーズンは高津よりも今コーチをしている伊藤智仁のほうが抑えだった。その1997年のヤクルト-西武の日本シリーズの第二戦、伊藤智がサヨナラ安打を食らってヤクルトが負けた。すると日本シリーズのその後の試合で、野村監督が高津を最後の抑えにと入れ替えた。
 それが頭にあったから、今回の第一戦でマクガフがサヨナラ安打を打たれた時に、高津は抑えを入れ替えるかな、と思った。だが、マクガフ抑えを頑固に続けた。
 野村の教えがどうこうと言いたがる人が多いのだけれども、高津はこの点で野村監督の真似をしなかった、ということは覚えておきたい。
 ついでに、かつて日本シリーズで抑え続けた高津投手は凄かったんだな、と改めて思い出した。なお、高津のシンカーを打った打者は当時西武の辻くらいしか記憶にない。

 それから印象に残ったもの。

 村上が2本、山田が1本ホームランを打っているが、彼らがホームランを打った2試合は勝てなかった。

 初戦、山本に奥川を当てたのは正しかったと思う。山本が2勝、宮城が2勝したらそこでオリックスが日本一になってしまう。山本に勝てるかもしれない投手、宮城に勝てるかもしれない投手を最低一人ずつは出さないといけない。ただ、山本に高梨を当てて勝てるとは思っていなかった。

 小川・石川の先発試合で2勝するとは思わなかった。特に石川に勝ちがついた時は、あれ、オリックス打線ってそんなに怖くないかも、と思った。

 ノウミさんのピッチングは素晴らしかった。申し訳ないが出てきた時、まだ投げていたんだ、と思ってしまった。

 川端慎吾のヒット。
 確か、川端が最後に打つまで、ヤクルトの代打策は全て失敗していた気がする。
 ヒット直前のパスボールは責められてしかるべきかもしれないが、ポテンヒットを打たれたことで吉田凌を責めるのはどうか。あのボールをあの場所に飛ばした川端は素晴らしいが、ポテンヒットを打たれないボールを投げろとは言えないだろう。

 第6戦は長い上に緊張が続き、見ているだけで疲れ果てた。ヤクルト日本一の瞬間は、良かった、これでやっと終わった、という安堵感が大きかった。

 中村のMVPは、消去法に見える。他にいないし、という意味で。いや、中村で良いのだが。高橋が取るにはもう一回投げないといけないし、サンタナはタイムリーエラーもしているし。

 それからオリックスで忘れられないのは平野佳寿の眉毛。あの見事な曲線。

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