ルヴァン杯決勝 広島２－１C大阪 アディッショナルタイムの逆転劇

　試合開始前に亡くなった工藤壮人に対して黙祷があった。
　優れた選手でまだ若くて愛されて、そんな彼がなぜ亡くならなければならないのか。ただ悲しい。

　さて試合。
　序盤から激しいボールの奪い合いがあった。前半の始まりはC大阪に好機が多く、広島は前半の終わり頃に好機があった。カウンター得意のC大阪、ポゼッションの広島という特色も出ていた。ただどちらも集中してよく守っていて、シュートはあっても決定機と呼べるものはあまりなかった。前半は0-0で終了。

　こうした拮抗した緊張度の高い試合だと、スーパープレーか思わぬミスで勝負が決まることが多い。前者ではなく後者で試合が動いた。
　C大阪の先制点は53分。佐々木のバックパスを加藤がかっさらい、ゴールキーパー大迫を躱してシュート。キャプテン佐々木、やってもうたである。
　その後、広島が攻めたがC大阪の守備からの攻撃も鋭く、次の1点がどちらに入るのかはわからない状態が続いた。

　79分、C大阪のヨニッチがVARにより退場。グーでベンカリファを殴っているように見えた。やむなし。これで流れが変わった。C大阪が1点を守り切れるかどうかという勝負になってしまった。
　アディッショナルタイムは9分。その時間が提示された直後、C大阪の鳥海がVARハンドPK。上げた手にボールが当たっていた。これも議論の余地なし。途中出場のソティリウがゴール右隅に決めて同点。
　こうなると広島が押せ押せである。101分、満田の右コーナーキックからソティリウが右足を合わせてゴール。ほどなく試合終了。

　ひとつのミスが試合を動かし、ふたつの反則がそれを引っ繰り返してしまった。先週、甲府相手に天皇杯優勝を逃した広島が劇的勝利。C大阪にとっては手から砂がこぼれるような逆転負けとなった。