W杯GL スペイン7-0コスタリカ、ベルギー1-0カナダ

スペイン7-0コスタリカ 7点の過程

 日本戦であれほど堅かったコスタリカがなぜスペインに7点も取られたのか。日本戦で1点しか取れなかったスペインがなぜコスタリカ相手に7点も取れたのか。グループリーグが終わってからなので、そうした視点で見た。
 前半開始からコスタリカは4-4のブロックで守備から入った。まずスペインの守備を食い止めて攻撃は後半からという作戦だろう。ところがこのコスタリカ4-4ブロックをスペインは全く苦にしなかった。
 4-4の隙間に3人が入っていく。そして4-4の左側にオルモが位置する。オルモにボールを出すとコスタリカのサイドが引き出される。そこで中に入れて、ハイ、崩れました。亜型はあるが左サイドからの崩しでスペインは前半に3点を上げた。
 3点を取られてからコスタリカは5-4-1に変更した。これは功を奏して前半の残り時間はスペインの左からの攻撃を封じることが出来た。
 後半に入ると様相は変わった。やられっ放しに耐えかねたコスタリカは前に出てきた。5バックではあるがその前の4がいなくなった。するとスペインの奪ってからの速い攻撃が効くようになった。右サイドから崩し、左サイドから崩し。あるいは5バックの端の前で起点を作って中に入れた。後半4点。
 となれば、5-4のブロックを最初から作ってそれをずっと保っていればスペインの攻撃を防げたのではないか? これに成功したのが日本ということになる。それにスペインがサイドから崩して中に入ってくるのを防ぐには5バックの左右の端の選手が重要だ。冨安の右ウィングバック投入は理に適っている。左サイドでは三苫が守備に奔走した。三笘にあれほど守備ができるとは思わなかった。
 それではコスタリカ相手に日本はなぜうまくいかなかったかというと、引いてブロックを作った相手を崩すのが日本はスペインほど得意ではないから。スペインのような緻密なパスワークは日本に出来ない。日本には快足フォワードがいるが、低いブロック相手だと効果が出ない。日本は左サイドから相馬のドリブル、あるいは三笘のドリブルぐらいしか攻め手がなかった。しかし日本は点を取るより点を取られない意識のほうが強かったのか、相馬や三笘になかなかボールが出てこない。そしてミスの連鎖で失点。
 そうした話だったのかなと、このスペイン-コスタリカ戦を見て解釈した。


ベルギー1-0カナダ ベルギー辛勝

 カナダのほうが良いサッカーをしていた。カナダは繋いでビルドアップが出来ていたし、決定機も多かった。シュート数はカナダ21(枠内3)に対してベルギー10(枠内2)。しかしサッカーは決まったゴールの数で勝敗が決まる。
 カナダとしてはPKを止められてしまったことが悔やまれる。8分カナダ、ブキャナンのボレーシュートがベルギー、カラスコの腕に当たったとしてVAR-PK。しかし、デイビスの放ったPKキックはコースが甘く、ベルギーゴールキーパー・名手クルトワがセーブした。
 ベルギーの得点は44分。アルデルワイレルトのロングボールにバチュアイの裏抜け。日本-カナダ戦でも柴崎のフィードに相馬、でカナダは失点していた。チームとして、長いボールへの注意力が薄かったのかもしれない。
 ベルギーは辛勝。その後、グループリーグで敗退した。唯一勝った試合がこの内容では、グループ突破がならなかったのも仕方がない、と今にして思えるのである。

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