年末の御挨拶

 今年はワールドカップが11~12月にあった。
 その間、サウダージ(saudade)というポルトガル語のことを考えていた。
 日本語では切なさとか郷愁などと訳される。

 サッカーは必ず終わる。前後半90分が過ぎれば。トーナメント戦で戦いが伸びても延長を加えた120分とPK戦を行えば必ず終わる。
 どれほど真剣に選手たちが戦っても、どれだけ観客や視聴者が熱狂しても、そのサッカーは必ず終わる。
 そして残ったものがサウダージだ。

 サッカーに限らずあらゆるものが終わっていく。
 私の長かった会社員生活も終わりを告げた。
 人の行いは必ず何かしらの終わりを迎える。このブログもいつかは終わる。
 人の一生もいずれ終わる。
 違いは、サッカーには試合時間があるが、一生の終わりは見えないことだ。だが終わることに変わりはない。

 ワールドカップが終わって何が残っただろうか。
 勝利の歓喜があった。敗北の悲しみがあった。結果に不満が残った。次の四年は既に始まっている。あらゆるものはあっという間に過去になっていく。
 それを思い返す。そこにあるものがサウダージだ。終わったものに対する哀切の想いだと、私は解釈している。

 今年も今日で終わる。
 2022年もサウダージ。さようなら。

 読んでいただいてありがとう。来年もよろしく。

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