日本1-2コロンビア 主導権を取ったから勝てるわけでも

 コロンビア相手に主導権を取る、というのはある程度出来ていた。ボールを自分から動かしていくという意味でなら。ただ、それがシュートチャンスにはあまり結びついていなかった。攻めている時間が長いようでいて、シュートは5本しか打てていない。コロンビアは11本。ボールは持っているのだが、点が取れない従来の日本代表と何が違うのかという話だ。

 選手の能力は上がっている。3分三笘のゴールにしても、後半上田の2本のヘディングシュートにしても、マーカーをものともせず力強い。食事の仕方や体の鍛え方が昔とは変わったのだろう。筋肉の鎧を身に付けた当たり負けしない日本人というのは、つい十年くらい前までは考えにくかったことだ。
 それだけに、まだそうした素材を生かし切れていないと感じた。

 失点場面。33分については、板倉が前に出てヘディングしたボールが跳ね返されたところから始まっている。そのボールを板倉自身が遅れて追いかけるというのがどうなのかと。菅原の寄せが遅い。
 それから中のドゥランを誰が見るべきだったのか。鎌田はボレに注意が行っていた。それならバングーナガンデが絞らなければならないのだが遅れていた。今回の2試合で招集した選手で、連携がまだ出来ていない。

 61分の失点について。直前の59分に痛んだバングーナガンデに代わって左センターバックに瀬古が入り、左サイドバックに伊藤がスライドしていた。左サイド裏に出されたボールに瀬古が対応しようとしたのだが、ファウルしても止められずボールを中に入れられていた。ボレのバイシクルシュートは素晴らしくそう簡単に予測できないだろうが、その前の段階でどうにかならなかったのか。
 危機管理というところで監督も反省しているようである。バングーナガンデと瀬古には苦い一戦になったかもしれない。次があるだろうか。

 コロンビアのような南米の中堅国は主導権など屁とも思っていない。そうした相手に勝ち切るまでには至っていないということだ。世界を驚かせたのは良いとしてその次の段階に至るまでには、まだ足りないところがあるということである。

この記事へのコメント