パリ五輪予選 日本2-1北朝鮮 オリンピック出場決定

 勝てば五輪出場、の大一番は国立競技場で20,777人を集めた。国立で2万人は見た目ガラガラだが、女子サッカーで2万人はこれまでを思えば相当の数である。

 日本はキャプテン熊谷をセンターバック起用の5バック。ボールを持たされた第一戦目とは異なり、ゴール前まで運んでシュートに持ち込む場面が増えていた。
 一方の北朝鮮は攻撃が単発的。ワントップの小柄なスン・ヒャンシムは守備には効いていたが、良いボールが入る場面は少なかった。日本に危ない場面もあったが熊谷、山下らが冷静に対処。
 日本の先制点は26分。遠目のフリーキックを北川が右サイドに放り込み、熊谷が競ってボールは左サイドへ。
上野が中央に送り、田中美のヘディングシュートは相手ゴールキーパーが触ってクロスバー。落ちてきたボールを高橋はなが押し込んだ。
 日本は優位に試合を進めていたが45分には大ピンチ。チェ・クムオクのヒールによるシュートが日本の右サイドを襲った。しかし山下がすんでの所でセーブ。中央からのカメラだと入ったようにも見えたが、別角度だとぎりぎりの所で掻き出していた。スーパーセーブ。

 後半に入り北朝鮮は激しくプレス。しかし日本が対処しているうちに猛プレスは止んだ。63分日本、上野に代えて清家。清家のごりごりドリブルが時折北朝鮮には脅威となった。
 66分北朝鮮は3人替え。小柄なスン・ヒャンシムを引っ込めてロングボール主体に切り替えた。
 76分、日本に待望の追加点。右サイド清水のクロスに飛び込んできたのは藤野。珍しい藤野のヘディングシュートで2点目。
 しかしそう簡単には終わらない。81分北朝鮮。リ・ハクのインターセプトからのスルーパスにキム・ヒェヨンが反応、相対していた高橋はなが一瞬遅れて山下が飛び出したところ、ヒェヨンが浮かせたシュートを決めて2-1。1点差に詰め寄られた。
 そこから北朝鮮はロングボール主体で攻めたが、日本はボールを持てば時間を経過させつつ冷静に対応。危機にも山下がボールをがっちりキャッチ。アディッショナルタイム5分が過ぎて試合終了。

 大変な戦いだったが、日本は北朝鮮を振り切って勝利。パリオリンピック出場権を獲得した。選手たちは笑顔笑顔で、国立競技場の幸福な歓声に包まれていた。

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