日本7-0中国 呆れるほどの強さ、あるいは弱さ

 W杯3次予選初戦である。

 どう書けばいいかなと思い、ふとカタールW杯最終予選の初戦について思い出してみることにした。この試合、日本はオマーンに0-1で敗れている。2021年9月2日。場所は吹田スタジアム。このオマーン戦のスタメンで、今回の日本-中国戦のスタメンでも出ているのは遠藤航のみだ。他に鎌田・伊東がスタメン。谷・中山・南野・堂安・久保がベンチ。ちなみにこのオマーン戦、4バックが植田・長友・酒井宏・吉田。
 わずか3年前であるのに全然メンバーが違う。少なくとも、全く違うチームなのだから、全く違う結果になっても何らおかしくない、とは言えるだろう。

 ひとつの試合をしただけであるから、この試合の中の実力差しかわからない。となれば日本が呆れるほど強いか、中国が呆れるほど弱いか、あるいはその両方か、である。
 もし中国が弱いのだとしたら。巷では一人っ子政策のために団体競技が弱いのではないかと言われている。私はそれよりも、優秀な若手を選んで適切な指導をするということが出来ていないのではないかと推察する。
 日本は多様性があって、エリートはエリートとして育成され、雑草は雑草として成長してくる。それにサッカーが人気競技となって久しく、フィジカルに優れた選手もサッカーを選ぶようになってきた。選手育成はうまく行っていると感じるところ多である。

 中国戦のボール支配率は73%に達した。ところで3年前のオマーン戦は日本の支配率が60.6%である。支配率が勝利に直結しないことはよく知られた話だ。日本は引いた相手からも崩して点を取れるようになった。3年前と最も違うところはここである。

 12分、久保左コーナーキック。他の選手が中国ディフェンダーを抑えて遠藤航をフリーにし、遠藤航ヘッド。
 45+2分、堂安の右サイドからのクロスに、三苫がファーサイドポスト付近に走り込んできてヘディングシュート。
 52分、左サイドポケットに侵入した南野がディフェンダーを股抜き切り返しでかわしてシュート。
 58分、町田の縦パスを上田がディフェンダーを背負いながら落としてつぶれ、受けた南野がドリブルで右に流れながらシュート。
 77分、右サイド久保からパスを受けた伊東がシュート。相手ディフェンダーに当たってコースが変わりゴールイン。
 87分、右サイドから伊東のロングクロス、ゴールポスト付近に走り込んだ前田大がヘディングシュート。
 95分、左から伊東が中央へパス。受けた久保が左足。

 書いてみたが、随分ヴァリエーションが豊富だ。中国のゴールキーパーは反応性に優れていた。それでも防ぎようがないというシュートばかりだった。こんな日本代表を実質最終予選で見るとは。少し前までは引いた相手に攻めきれない代表ばかり見て来たと言うのに。

 初戦は難しいという話は他では当てはまり、オーストラリアはホームでバーレーンに敗れ、サウジアラビアはホームでインドネシアと引き分けている。
 次のアウェーのバーレーン戦はどうなるか。この2試合目で3次予選の輪郭が見えてくるだろう。ここでも大勝するようなら、もう何も心配することはないだろうが、果たしてどうなるか。

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