天皇杯2回戦 柏0-2東洋大 延長の熱戦を制したのは東洋大

 場所は柏ホームの三協フロンテア柏。柏は現在リーグ4位。天皇杯はこの2回戦から登場。3日前のルヴァン杯を東京Vと戦ったばかりでその時とは選手を10人入れ替え。知っている選手があまりいない。ゴールキーパーの松本は東洋大出身。ゲームキャプテンは2023年途中で浦和から移籍してきたセンターバックの犬飼。というか、犬飼は2018年から4シーズン過ごした鹿島のイメージが強い。
 東洋大は昨年大学選手権で優勝しており、アマチュアシード枠。天皇杯1回戦では仙台大学を4-2で破っている。この柏戦ではスタメン、控え併せて5人が柏の育成組織出身とのことで柏のスタジアムは彼らにとってあこがれの地という説明があった。なお、キャプテン山之内は柏入団が内定している。
 解説は柏前監督の井原。こう言ってはなんだが、柏は監督が代わって強くなった。
 これまでの天皇杯を思えば、大学チャンピオンが控え主体のJ1チームに勝っても何の不思議もない。もちろん逆でも不思議はない。

 柏はどうもやりにくい様子で、10分犬飼、14分戸嶋、17分白井と警告を受けた。ただ、個々の能力は柏のほうが高い。東洋大はポゼッション志向のチームとのことだが、ポゼッションは柏。好機も柏のほうに多かった。フォワード古澤の体の強さが目立っていた。だが東洋大はGK磐井が奮闘。カウンターも鋭い。なかなかいい勝負で前半は0-0で終了。

 後半開始時、柏は戸嶋、仲間、古澤に代えて中川、渡井、垣田。54分には島村に代えて小泉。攻めあぐねているので攻撃陣にテコ入れを図った。
 そこで柏、ポゼッションからの圧迫は強まったのだが、なかなかシュートが打てない。逆に東洋大のカウンター攻撃が良く、柏GK松本が活躍。
 後半の終わりごろになると柏の犬飼が痛んで動けなくなった。今度は東洋大がポゼッションして圧迫。すでに5人交代していた柏は垣田をセンターバックに入れて、東洋大の攻撃をどうにか凌いだ。前後半を終えて0-0、試合は延長に突入。

 延長開始時、痛んだ犬飼を野田に代えて柏は息を引き返した。何度かシュートを放ったが決まらず。
 そして延長後半の107分東洋大。右サイドから荒井がクロス、ゴール前で柏がクリア、ボールがバイタルエリアにいた左サイドバック山之内の前に飛んできた。この時、柏ディフェンスは自陣左サイドに人数を割いていて、山之内がフリーになっていた。山之内はトラップして強烈な左足シュートを放ち、ボールがゴール左隅に突き刺さった。東洋大先制。
 東洋大は時間を稼いで時計を進めた。柏は前がかり。何とかして点を取ろうとするが東洋大が跳ね返す。120分柏、白井のシュートはクロスバーの上。
 そして121分、柏のロングフィードを跳ね返して東洋大のカウンター。途中出場依田のドリブルで持ち込み左にはたいてこちらも途中出場の西村がクロス。高橋が触って相澤がシュート。これが柏選手の体に当たったらしいが、その後に依田の胸に当たってゴールイン。駄目押し。0-2で試合終了。

 世間ではジャイアントキリングなどと言うのだろう。ただ、早め早めに交代をした柏に対して、延長戦では東洋大のスタミナが勝ったのではないかと思われる。
 カテゴリーがどうとかの前にサッカーとしてとても面白かった。いいゲームを見せてもらった。

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