"言語"の記事一覧

宮城県の言葉 あとがき

「宮城県の言葉」は、私がこれまでに宮城県内で聞いてきた言葉に関する、個人的な記憶を記録化したものである。  きっかけは令和に入って父と母が相次いで亡くなったことだ。ふと、父と母が話していた言葉を自分が覚えているうちに記録しておかないと、それらは消えて無くなってしまう、と思ったのである。  というのは父と母が話していたようには、私自身…
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宮城県の言葉(21)

やろこ [野郎子] (名詞)  若い男性のことだが、この単語を使う時には頼りにならない未熟者という意味を含んでいる。(用例)「車屋さ行って、誰、出で来んのがど思ったら、髪染めだやろこだぁ」 よるにつめをきってはいけない [夜に爪を切ってはいけない] (諺)  「昔は家に囲炉裏というものがあった。夜に爪を切ろうとする…
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宮城県の言葉(20)

もぞこい (形容詞)  かわいそうだ、という意味。中学時代に教わった教師によると、「可哀想だが自分ではどうにもならない」という時に使うらしい。(用例)「うぢの娘は嫁ぎ先でいじめられているらしくて、もぞこいんだ」 もってのほか (名詞)  山形県名産の紫色の食用菊。父はこの食品の名前を半端に覚えていて、「これの名前何…
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宮城県の言葉(19)

まつしま [松島] (地名)  宮城県の代表的観光地のひとつ。父が県外へ観光旅行した後に帰ってきて、「松島のほうがましだ」と言ったら、それは「わざわざ見に行く価値はなかった」という意味だった。 マンガとバッコ (名詞)  親戚の家で昔の農具について説明を受けたことがある。「うぢさまだ、マンガとバッコあんだや」。何の…
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宮城県の言葉(18)

べこ (名詞)  牛。小学校の修学旅行で会津に行って郷土玩具の「赤べこ」を買って帰り、「会津で牛のことをべこって言うんだって」と父に言ったら、「この辺でもべこって言うよ」と言われた。 べし (終助詞)  「行ぐべし」の「し」を下げると「行くべ」よりも決定事項に近くなる。もっとも、「べ」と「べし」の違いは曖昧で確定的…
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宮城県の言葉(17)

ひどい (形容詞)  共通語では残酷だ、程度が悪いという意味だが、私の妻は困難で大変だという意味で使うことがある。(用例)「目、大丈夫? 針の穴さ糸通すの、ひどくない?」 ヒバ [檜葉] (名詞)  井上靖の「あすなろ物語」を読んで「あすなろ」とはどんな木であろうと思ったら、ヒバのことだった。 ぶだのもの…
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宮城県の言葉(16)

はさむ [挟む] (動詞)  私の姉は縁あって大阪府の人に嫁いだ。大阪で電車のドアを見て本当に「指詰め注意」とあり驚いたという。「じゃあ、東北ではなんて言うの」と大阪で知り合った人に聞かれて、「はさむ」と答えたら、「はさむねぇー」と感心されたそうである。 ばっつ (名詞)  一番下の子供のこと。母方の祖父にとって、…
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宮城県の言葉(15)

ななくさがゆ [七草粥] (名詞)  七草粥を作る際に、七草を叩く時の母の口上は、「唐土の鳥が渡らぬうちに七草叩げ、七草叩げ」であった。 ねまき [寝間着・寝巻き] (名詞)  冬に寝る時に使う綿の入ったどてらのような形状をした着物。寝る時は着るのではなく体に掛ける。それが全国的にも「ねまき」と呼ぶものだと思ってい…
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宮城県の言葉(14)

とんぺー [東北] (名詞)  東京大学は「とうだい」。北海道大学は「ほくだい」と略す。それなら東北大学はというと「とんぺー」である。(用例)「問おう、貴方がとんぺーのマスターか」(マスターはこの場合、修士ないし修士の学生を指す) ながなすづけ [長茄子漬] (名詞)  仙台名物だそうである。日本中どこにでもあるも…
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宮城県の言葉(13)

ちょす (動詞)  指で触る。いたずらする。(用例)「揚げだもの、食う前にちょすんでね」 とうきょう (地名)  東北に住んでいる多くの人の中には「とうきょう」とでも呼ぶべき概念がある。それはいわゆる首都圏で、ビルが沢山あって人が沢山いるところ、である。これは東京都とか東京23区といった行政区画とは若干異なっており…
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